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がんリハビリテーション─原則と実践 完全ガイド─

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基本情報

監修者
高倉 保幸
著者
マイクル D. スタブフィールド、マイクル W. オデール
訳者
盛谷 明美
推薦者
辻 哲也
ISBN 978-4-88282-994-2
定価 5,800円+税
発売日 2018年1月

『がんリハビリテーション─原則と実践 完全ガイド─』を購入する

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内容紹介 がんリハビリテーション─原則と実践 完全ガイド─



〝医療チームの仕事は全て……死に逝く人が最期のときまで、身体的・精神的能力の限り出せる最大の力を自らの意思でコントロールし、自立して生きていけるようにすることだ〟─シシリー・ソンダース

本書は、がんケアの原則、がんサバイバーが機能を回復し、生活の質を取り戻すための最良の実践法について、最新情報をまとめたものである。世界先端のがんのリハビリテーション専門家と腫瘍学の専門家が執筆に尽力した、草分け的な本書は、医療チームが優れたケアを提供し、がんサバイバーの生活の質をより良くする後押しになる。

そして、がんのリハビリテーションのあらゆる局面について、その最新治療および一般原則・概念を包括的に概説する。

さまざまながんの種類、評価・管理といった基礎レベルの解説から、がんそのものや治療によって生じる具体的な機能障害・能力障害の同定、評価、治療まで、本書はがんサバイバーのケアに携わる医療スタッフの喫緊のニーズに応える一冊になる。

がん患者の生存率向上だけではなく、機能および生活の質の維持・向上に力点が置かれるようになった結果、本書がある。

質の良いケアとリハビリテーションによって、

がんサバイバー一人一人が各人の目標を達成でき、生活の質を上げ、能力障害から生じる苦悩が減り、機能が改善・回復し、機能低下の予防にも役立つのは間違いない。

がんサバイバーの複雑なニーズに応えようと奮闘する全分野の臨床家に必携であり、また専門家のみならず、がんサバイバー自身が本書によって得られる知識は膨大で、自身の状況を把握し、痛みや不安を取り除く手助けとなる。

判型:B5 (257×182mm)
ページ数:288頁

第1部 がんリハビリテーションの概説
01がんの理学療法および作業療法における原則
疾患経過と病期
放射線治療と治療計画におよぼす影響
 体外照射で考慮すべき点
 小線源療法で考慮すべき点
 放射線誘発線維症治療で考慮すべき点
化学療法と治療計画におよぼす影響
手術と治療計画におよぼす影響
治療アセスメント
目標および治療計画の設定
 予防的介入
 回復的介入
 維持的介入
 緩和的介入
一般的注意
転移性がん
 骨
 脊髄圧迫
 脳
 肺
 骨髄抑制
がんの一般的な徴候・症状
特異的な徴候・症状
結論

02がんの治療法
従来型物理療法
力学的療法
電気治療的物理療法
治療機器の適応障害
治療機器の禁忌症
特殊な禁忌症
要約

03運動療法
腫瘍学における運動療法の原則
 運動療法の目標
 運動療法が対処する機能障害の代表例
運動療法
 筋力強化運動
 有酸素運動
 可動域と柔軟性
胸部理学療法(CPT
 協調・バランストレーニング
運動療法で考えるべき点
 疲労
 疼痛
注意および禁忌
がんによる特定の状態に対する運動療法
 ステロイドミオパチー
 骨粗鬆症
 放射線線維症
 ニューロパチー
 重症疾患
 造血幹細胞移植
 慢性の移植片対宿主病
 緩和ケア
障壁
要約

04術後リハビリテーション
乳房手術
感覚
リンパ浮腫
乳房再建術のための活動制限
乳房再建手術後の肩運動
組織エキスパンダ─および有茎皮弁
遊離TRAM 皮弁
仙骨切除術
合併症
術後ケア/リハビリテーション
頸部郭清術
骨盤内臓器全摘
 患者の選択
 術前の準備
 手術手順
 手術後のケア
結論

05栄養ケア
抗がん治療と栄養の意味
 化学療法
 放射線療法
 外科手術
栄養アセスメント
栄養療法
 経口食事療法
 経腸栄養法
 非経口的栄養法
栄養による症状管理
 嚥下困難
 食欲不振および悪液質
 便秘
 下痢
 悪心および嘔吐
患者の教育
 栄養補助食品および漢方薬
結論

06性に関する問題
ヒトの性:序論
外科治療と性機能不全
放射線治療
化学療法
 内分泌治療
治療終了時の性
性機能不全についての患者の評価
性機能不全の治療選択肢
 男性:勃起障害
 女性:覚醒障害
 女性:性交疼痛症
 女性:腟痙
 男性/女性:性欲減退
性セラピストの役割
性とシングルのサバイバー
結論

07うつ病、不安、および心理社会的機能障害
精神的苦痛のスクリーニング
不安障害
うつ病(気分障害)
 自殺リスクのアセスメント
 管理
パーソナリティ障害および心理社会的機能障害
要約

08小児がん患者のリハビリテーション
小児期の各種がんおよびリハビリテーションの問題
 白血病
中枢神経系新生物
骨肉腫
その他の固形腫瘍
結論

09老齢期の問題
脆弱性
認知症
せん妄
疼痛管理
うつ病
睡眠
多剤療法
栄養
入院後の退院計画
往診評価
可動性と転倒
 Tinetti 歩行バランスツール
 ファンクショナルリーチテスト
 アップアンドゴーテスト
 6分歩行テスト
治療の持つ意味
結論

10緩和的ケア
リハビリテーションと緩和ケア
T 氏の症例
症例考察
 症状アセスメント
 生物精神社会的アセスメント
症例の続き
症例考察
原因
 嘔吐中枢
 消化管
 前庭器
 化学受容器引金帯
 脳皮質
悪心および嘔吐の管理
 非薬物治療
 薬理学的治療
食欲不振/悪液質の管理
非薬理学的治療
 薬理学的疲労
 うつ病
うつ病のリハビリテーション管理
症例の続き
症例考察
 ケアの目標についての話し合い
症例の続き
症例考察
 疼痛のアセスメントと管理
緩和ケアにおける疼痛のリハビリテーション管理
神経学的症状のリハビリテーション管理
 便秘
症例の続き
症例考察
 ホスピスでの理学療法
症例の続き
症例考察
 スピリチュアルな問題と意味の追求
症例の結論
症例考察
 臨終の過程
 呼吸困難
呼吸困難の管理
 酸素
 オピオイド
 その他
せん妄
臨床アセスメント
せん妄の管理

11補完療法
補完療法の概要
 マッサージ療法
 鍼療法
 催眠
 フィットネス
倦怠感
 鍼療法
 マッサージ療法
 リラクゼーション療法
 瞑想
不安
 マッサージ療法
心身療法
 音楽療法
 うつ病
 マッサージ療法
 鍼療法
 心身療法
悪心および嘔吐
鍼療法
 マッサージ療法
 心身療法
疼痛
結論

第2部 症状別のがんリハビリテーション
12 バランス機能障害と歩行機能障害
がんにおけるバランス・歩行障害の原因
 神経性
 筋骨格性
 全身性
歩行およびバランスの定義付け
がん患者の歩行およびバランスのアセスメント
歩行およびバランス障害の診断
治療およびリハビリテーション介入
結論
13 がん関連疲労
アセスメント
 スクリーニング
 測定ツール
発現率、有病率、強度、および持続時間
病態生理学
治療関連の疲労
 人口統計学的因子および疾患特異性
 併存症の要因
 貧血
 電解質平衡異常と栄養パラメータ
 内分泌
 睡眠障害
 疼痛
 うつ病
包括的な評価と治療
 介入
 教育
 一般戦略
 非薬理学的介入
 薬理学的介入
 CRFの理学療法介入
結論

14 コミュニケーションと嚥下機能障害
正常なコミュニケーション
正常な嚥下
聴力、発話、発声、言語、および嚥下に対するがんの影響
聴力、発話、発声、言語、および嚥下に対する治療の影響
 外科手術
 化学療法と放射線治療
聴力、発話、言語、発声、および嚥下の評価
聴力、発話、発声、言語、および嚥下に対するリハビリテーション
結論 184

15 膀胱機能障害
がん発現後の排尿機能障害の原因
排尿障害の評価
 泌尿器系の病歴
 泌尿器の理学検査
 泌尿器の臨床検査評価
 上部尿路の泌尿器学的アセスメント
 下部尿路の泌尿器学的アセスメント
 尿流動態評価
 膀胱負荷および排尿の評価
尿流動態検査所見/用語
排尿の生理学─排尿中枢
排尿機能障害の処置
 概要
 尿失禁または尿閉がある場合の行動治療選択肢
 尿失禁・尿閉の支持療法の選択肢
 尿流動態評価に基づく介入
 膀胱に起因する尿失禁
 尿道口または括約筋に起因する失禁
 膀胱に起因する尿閉
 尿道口または括約筋に起因する尿閉に対する治療
追跡
膀胱がん患者のリハビリテーション
 表在性膀胱腫瘍の治療
 浸潤性膀胱がんの治療
 尿路変更術
 尿禁制型ストーマ
 QOL
結論

16 排便機能障害
正常な腸機能
神経因性腸機能不全
 概要
 脊髄腫瘍
 放射線脊髄症
 化学療法剤
 神経因性腸管機能不全
 神経因性腸管のための排便プログラムの設定
オピオイド誘発性排便機能障害
排便機能障害のその他の原因
 腫瘍関連の運動不全
腸管機能不全の薬物治療
結論

17 認知機能不全
神経認知障害の原因、アセスメント、およびパターン
 神経認知機能不全の原因
 神経認知機能不全のアセスメント
 神経心理学的障害の進行とパターン
 機能およびQOLに対する神経認知症状の影響
エビデンスベースの認知的介入戦略:脳腫瘍患者対脳外悪性腫瘍患者
 包括的リハビリテーションプログラム
 特定の神経認知症状に目標を定めた代償的介入
 認知機能障害の薬理学的管理
 プリハビリテーション戦略:ある予防モデルについての考察
 情緒的苦痛と疲労
結論

18 日常生活活動
治療原則
 整容
 摂食
 上半身の更衣
 下半身の更衣
 上半身の洗浄
 下半身の洗浄
 排尿排便
 トイレの移乗
 シャワーへの移動
 ベッド上の動作
 省エネと身体力学
 特記事項
 隔離予防策/接触予防策下の患者
 頭頸部の手術/顔面再建手術
 Tikhoff-Linberg 法
 腋窩リンパ節およびセンチネルリンパ節の摘出
 内側半骨盤切除術
 外側半骨盤切除術
 仙骨切除術
 開頭術
 前四半部切断術
脊髄圧迫/損傷
 スリングを患者に合わせる
 グローブを患者に合わせる
 胸部保護パット
 サルミエント装具
 肘用ガータースプリント
 ポータル便器を患者に合わせる
 陰嚢サポート
 頭頸部前腕のフラップ型スプリント
 人工頭蓋骨
 前四半部切断用プロテーゼ
 手根管スプリント/掌側型カックアップスプリント
 Tシャツを患者に合わせる
結論

19 リンパ浮腫
リンパ系の構造と機能
リンパ浮腫の病態生理
 原発性および続発性のリンパ浮腫
 リスク因子
 リンパ浮腫のグレード
 リンパ浮腫の診断
リンパ浮腫の治療
 リハビリテーション治療
 薬学的治療
 外科的治療

がんリハビリテーション─原則と実践 完全ガイド─ の感想/レビュー

弊社に寄せられたレビュー

匿名さんのレビュー
がんという病気は、それぞれがん細胞に特徴があり、乳がんの場合は抗がん剤が効くタイプ、放射線が効くタイプ、ホルモン剤が効くタイプなどに分かれています。大体のところは、手術の前の針生検で調べるのでわかるのですが、どれぐらいリンパ節に移転しているかなどは、手術をしないと分からないので、ほとんどの患者は不安を抱えての手術になるようです。

そして手術が終われば、放射線治療などに追われ、傷口は痛むし、腕は上がらないし、でもリハビリはしなきゃいけない、と、これもストレスのかかる生活が続きます。

病院でも、もちろんいろいろな説明はしてくれますが、やはり体系的なわかりやすいものではありません。

そんなこんなで私自身、ちょっと鬱っぽくなってしまい、将来を悲観したり、なんでこんなことになってしまったのかと自分を責めてしまったりして、疲労もたまっていきました。

今思えば、自分自身初めてがんという病にかかり、周りにお手本となる人はいなかったし、いてもすでに亡くなっていたりして、知りたいことが知れない、聞きたいことが聞けない不安な状況におかれていました。

手術をした病院には、がん関係の書籍は、ほんの少し売店に並んでいるぐらいだったのですが、放射線治療をした別の病院には、放射線科の待合にたくさんの書籍が置いてあって、あれこれ読むことが、とても楽しみでした。栄養関係の本や、乳がんの専門書、放射線治療のわかりやすい患者向けのものなど、自由に読めて、病院の方の優しい心遣いを感じました。

このがんリハビリテーションの本も、その時に出会っていれば、リンパ浮腫について、もっと理解が深まり、不安を感じなくて済んだと思います。

改めてこの本の持つ可能性はとても奥深く、がん患者にたくさんの安心と勇気を与えてくれるものだと思います。
何度も読み返し、これからの道しるべとさせていただきます。

乳がん体験者50代 M.S
匿名さんのレビュー
読んでみての感想ですが非常に参考になる教科書だと思いました。

研究結果を元に、有効な方法や禁忌などが詳細に記載されており、「なぜやるべきなのか」、「なぜやってはいけないのか」ということが理解できる内容になっていると思います。例えば、放射線治療の章では、副作用だけではなく、副作用に応じたリハビリで考慮すべき点など詳しく述べられているので,臨床にもすぐに応用できると思います。

初学者や学生が理解するにはやや難易度は高いような気もしますが、がんリハ経験者でさらに深く学習を進めたい方や、がんリハを学生や初学者に教える立場にある方にとっては非常に活用できると思います。

訳本であることやカラーが少ないことから、初めは取り掛かりにくい印象がありましたが、読んでみて非常に参考になったので、購入を検討しています。

また、原著の一部でしかないようなので、是非続きも読んでみたいと思いました。

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