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歴代日本薬局方収載 生薬大事典

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基本情報

著者
木下 武司
推薦者
柴崎 正勝
ISBN 978-4-88282-936-2
定価 28,000円+税
発売日 2015年3月下旬

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内容紹介 歴代日本薬局方収載 生薬大事典



1886年の初版から2014年の第16改正版第2追補までの『日本薬局方』に収載されたことのある生薬“全305種”と、同じく収載歴のある漢方処方エキス剤31種について、その概要と歴史的由来を詳細にまとめた生薬事典の決定版。公定書としての局方を重んじつつ、最新の市場状況や分類学的知見、さらに膨大な和漢の古典本草書から貴重な史料を意欲的に紹介し、局方では補いきれないハイレベルな情報を網羅。「各生薬の本来の基原は何であったのか」をメインテーマに、それぞれの生薬の歴史を、時代を超えて丹念に紐解く。
著者が長年をかけて収集した生薬に関する興味深いトピックも惜しみなく盛り込み、和漢植物・西洋植物からみる歴史書としても有意義である。
製薬関連業務従事者をはじめ、医師や医療従事者、植物学・博物学や国文学・漢文学の修学者から一般の読者まで、幅広い層が手にとることができる一冊。

第1部では生薬全305種と、生薬を配合した漢方処方エキス剤31種について解説する。和名五十音順に、それぞれの生薬の基原や用途、出典、漢名について説明。各項目の変遷の経緯やその来歴を詳説し、ひとつひとつの生薬の歴史を系統的に理解することができる。

第2部では特に日本人になじみの深い生薬8種をとりあげた。独自の植物画像や科学データを掲載し、薬効や薬理といった科学的側面から、植物学・民俗学・文化史といった歴史文化的側面にいたるまで多角的に考証を加え、それぞれの植物の生薬としての生い立ちを解説する。

各生薬が「どの版の局方で収載され、どの版で削除されたか」ひとめで分かる一覧表を巻末収録。さらに、漢名や万葉仮名の読み仮名が画数順に参照できる一覧表も収録し、和漢古典本草書の難読項目を本書が補完する。
和文索引と欧文(学名)索引の2つの索引を備え、より検索性の高い事典となっている。

“天然物医薬品”としての生薬の歴史を深く理解できる 柴崎 正勝
刊行にあたって

本書の見かた

第1部 歴代日本薬局方に収載された305生薬の文化誌

第1章 和漢生薬・西洋生薬の解説
≪ア行≫アカメガシワ/アギ/アコニットコン/アセンヤク/アニスジツ/アヘン末/アマチャ/アマニン/アラビアゴム/アルテアコン/アルテアヨウ/アルニカカ/アロエ/アンソッコウ/アンモニアクム/イオウ/イズシュクシャ/イスランドタイ/イリスコン/イレイセン/インチンコウ/インドタイマソウ/インヨウカク/ウイキョウ/ウコン/ウヤク/ウワウルシ/エイジツ/エンゴサク/オウギ/オウゴン/オウセイ/オウバク/オウヒ/オウレン/オンジ
≪カ行≫カイカ/ガイシ/カイソウ/カイメン/ガイヨウ/カオリン/カゴソウ/カシアボク/カシュウ/ガジュツ/カスカラサグラダ/カスカリラヒ/カッコウ/カッコン/カッセキ/カノコソウ/カマラ/カミツレ/カラバルマメ/カルドベネディクトソウ/カルナウバロウ/ガルバヌム/カールムジツ/カロコン/カンキョウ/カンゾウ/カンタリス/カンテン/カンピ末/カンペントウ/キキョウ/キクカ/キササゲ/キジツ/キナ/キノ/キョウカツ/キョウニン/キラヤヒ/キンキカ/グアヤクボク・グアヤク脂/クエンピ/クガイ/クコシ/クジン/グッタペルカ/クベバジツ/クヘントウ/グルユンバルサム/クレンピ/ケイガイ/ケイヒ/ケツメイシ/ケツメイヨウ/ゲルゼミウムコン/ケンゴシ/ゲンチアナ/ゲンノショウコ/コウイ/コウカ/コウジン/コウブシ/コウベイ/コウボク/ゴオウ/コカヨウ/コケモモ/ゴシツ/ゴシュユ/コショウ/コソカ/ゴバイシ/コパイババルサム/ゴボウシ/ゴマ/ゴミシ/コルヒクムシ/コロシントジツ/コロンボ/コンズランゴ
≪サ行≫サイカク/サイカチ/サイコ/サイシン/ザクロヒ【コラム】海石榴はツバキ? ザクロ? 歴史に翻弄された2つの植物/サッサフラスボク/サフラン/サルサ/サルビアヨウ/サレップコン/サンキライ/サンザシ/サンシ/サンシシ/サンシュユ/サンショウ/サンソウニン/サンダラック/サンヤク/ジオウ/ジギタリス/シゴカ/ジコッピ/シコン/シタン/シツリシ/シナカ/シャカンゾウ/シャクヤク/ジャコウ/ジャショウシ/シャゼンシ/シャゼンソウ/ジュウヤク/シュクシャ/ショウキョウ/ショウシ/ショウズク/ショウブ/ショウマ/ショウリク/ジョチュウギク/シンイ/スイテツ/ストロファンツス/精製セラック・白色セラック/セキショウシ/セッコウ/セッコツボクカ/セネガ/セルペンタリアコン/センキュウ/ゼンコ/センコツ/センソ/センナ/センブリ/ソウジツ/ソウジュツ/ソウハクヒ/ソボク/ソヨウ/ソリシ
≪タ行≫ダイオウ/タイソウ/ダイバク/タクシャ/ダツラ/タマリンド/ダンマール脂/チクセツニンジン/チモ/チョウジ/チョウトウコウ/チョレイ/チンピ/テレビンチナ/デンプン/テンマ/テンモンドウ/トウオウ/トウカ/トウガシ/トウガラシ/トウキ/トウニン/トウヒ/ドクカツ/トコン/トショウジツ/トチュウ/トラガント/トルーバルサム/トロロアオイ/トンコマメ
≪ナ行≫ニガキ/ニクジュヨウ/ニクズク/ニホンケイヒ/ニンジン【コラム】空前のニンジンブーム! 歴史家も知らないその内情/ニンドウ
≪ハ行≫バイモ/バクガ/ハクズイコウヒ/バクチヨウ/バクモンドウ/ハズ/ハチミツ/ハッカ/バッカク/バニラ/ハマボウフウ/ハマメリスヨウ/ハンゲ/ヒキオコシ【コラム】仏法説話から生み出された妙薬フジコブ。/ヒドラスチス/ビャクゴウ/ビャクシ/ビャクジュツ/ビャクダン/ヒヨス/ビワニン/ビワヨウ/ビンロウジ/ファルファラヨウ/フセキ/ブクリョウ/ブシ/ブッコヨウ/フラングラヒ/ベラドンナコン/ベラドンナヨウ/ベルバスクムカ/ペルーバルサム/ヘンズ/ボウイ/ボウコン/ボウフウ/ボクソク/ホコウエイ/ボダイジュカ/ボタンピ/ホップ/ポドフィルム脂/ホミカ/ボレイ
≪マ行≫マイカイカ/マオウ/マクリ/マシニン/マチコ/マンナ/ミツガシワ/ミツロウ/ミョウバン/ミルラ【コラム】「ミイラ取りがミイラになる」諺を生み出したミイラブーム。/メリッサヨウ/メンマ/モクツウ/モッコウ
≪ヤ行≫ヤクチ/ヤクモソウ/ヤボランジヨウ/ヤラッパ/ユウタン/ユーカリ/ヨクイニン
≪ラ・ワ行≫ラウオルフィア/ラクツカリウム/ラタニアコン/ラベンダーカ/リュウガンニク/リュウコツ/リュウタン/リュウドウソゴウコウ/リョウキョウ/レンギョウ/レンニク/ロジン/ロートコン/ロートソウ/ロートヨウ/ロベリア/ローマカミツレカ/ローヤルゼリー/ワダイオウ

第2章 漢方医学の歴史と処方
 第1節 江戸期日本の医学事情
江戸期以降に成立した日本の漢方医学――後世方派と古方派――/江戸後期の医学―折衷派・考証学派の出現と蘭方の台頭/漢方医学に対する朝鮮医学の影響は?/漢方医学におけるガンの認識
 第2節 明治~現代の漢方医学
 第3節 漢方処方エキス剤の解説
茵陳蒿湯/黄連解毒湯/乙字湯/葛根湯/葛根湯加川芎辛夷/加味逍遙散/桂枝茯苓丸/牛車腎気丸/柴胡桂枝湯/柴朴湯/柴苓湯/三黄散/芍薬甘草湯/十全大補湯/小柴胡湯/小青竜湯/小半夏加茯苓湯/真武湯/大黄甘草湯/大建中湯/大柴胡湯/釣藤散/当帰芍薬散/麦門冬湯/八味地黄丸/半夏厚朴湯/半夏瀉心湯/補中益気湯/麻黄湯/六君子湯/苓桂朮甘湯


第2部 日本独自の生薬はどのように生まれたか

第1章 アカメガシワ
 第1節 生薬アカメガシワ
実は有用植物であったどこにでもある雑木/多様な方言名の中に薬用を示唆する名はない/古来から薬用とされたという通説は本当か?/アカメガシワに充てられた2つの漢名「梓・楸」
 第2節 古代から今日まで変わらない中国における梓・楸の基原
『本草綱目』以前の中国本草における梓・楸/『本草綱目』における梓・楸/中国本草に掲載された梓・楸の図/本草以外の漢籍では?/中国初の実用農学書『齊民要術』にみる梓・楸
 第3節 混乱する日本における梓・楸の基原
上中古代の梓/上中古代日本の楸/江戸時代の梓・楸/明治以降の梓・楸
 第4節 まったく別種であった朝鮮における楸の基原
楸の基原に関する過去の考証研究の問題点/しばしば起きた? クルミ科とモクセイ科の混同/『享保期朝鮮動植物図録』の楸の真の基原/15世紀から楸の基原はクルミ科であった/クルミ科基原の楸が生まれた経緯/朝鮮薬材調査の江戸期本草学におけるインパクト
 第5節 梓・楸を基原とする薬物の薬用解析
皮膚疾患に単味で用いた――中国医書/漢籍から引用し、ときに創出した――日本の医書/『大同類聚方』のヒサキ・ヒサキリは本物?
 第6節 民間薬アカメガシワはどのように生まれたか
中国・朝鮮にも使用実績のないアカメガシワ/2つの漢名からみる生薬アカメガシワの実像/“救荒薬”として西洋医学の影響下で生まれた/薬効を認められ薬として定着

第2章 アヘンとケシ
 第1節 アヘン原料ケシとその類縁植物
区別が難しい栽培規制ケシ種と園芸用ケシ類/栽培規制ケシ種と園芸用ケシ類の識別法
 第2節 麻薬成分と非麻薬成分:どこで線引き?
第3節 世界にみるアヘン・ケシの文化誌
内用のみでアヘンを喫煙しなかった欧州/食用・薬用から享楽へと転じた中国/下痢止めの妙薬として活用した日本

第3章 エイジツ(営実)
 第1節 生薬エイジツはノイバラの偽果
 第2節 エイジツの真の基原、薬効成分と民族植物学
正條品エイジツを識別できない局方試験法/方言名にみるノイバラの民族植物学
 第3節 成分研究の歴史と薬理作用
 第4節 日中医書におけるエイジツの用法の比較
漢籍医書におけるエイジツ/和籍医書におけるエイジツ/使用を普及させた『營實新效方』/瀉下薬エイジツの文献上の初見
 第5節 瀉下薬エイジツ誕生の歴史を探る
万葉集にみる瀉下活性発見の痕跡/漢籍医書の誤解からたまたま生まれた「営実仁」

第4章 キササゲ
 第1節 生薬キササゲ
 第2節 キササゲの成分と薬理
 第3節 中国にないキササゲが生薬になったわけ

第5章 ゲンノショウコ
 第1節 ゲンノショウコの基原と性状
 第2節 ゲンノショウコの成分と薬効
主成分タンニンとその含量/薬効はタンニンだけによるものか?
 第3節 方言名にみるゲンノショウコの民族植物学
 第4節 民間療法におけるゲンノショウコ
ゲンノショウコを記載する民間療法書は3つだけ?/中国にないはずのゲンノショウコが2つの漢名をもつわけ
 第5節 “救荒食”の経験を通して見出された薬効

第6章 センブリ(当薬)
 第1節 センブリの基原と性状
 第2節 センブリの成分と薬理
しつこいほど苦いセンブリの苦味成分の本体/実験では証明できなかった苦味成分の健胃効果
 第3節 民間療法におけるセンブリ
日本の本草書がセンブリに充てた漢名/センブリとされた胡黄連の真の基原は?/日本の民間療法書に出現するセンブリ
 第4節 当初は駆虫薬であったのが健胃薬に転じた

第7章 ドクダミ(ジュウヤク)
 第1節 ドクダミの基原と性状
 第2節 ドクダミの成分と薬理
独特の臭いのもとは精油成分/外用でも内用でも一定のエビデンスがある
 第3節 和漢本草学におけるドクダミ
中国にドクダミはあるか?/ドクダミの古名は「しふき」/方言名にみるドクダミの民俗文化誌
 第4節 和漢伝統医学におけるドクダミ・ジュウヤク
中国ではローカルな外用薬であった/茶剤として服用するのは日本独自の用法/梅毒の治療薬として漢方薬に転用された
 第5節 民間薬であり漢方薬であるドクダミの誕生

第8章 マクリ(海人草)
 第1節 生薬マクリとその基原
 第2節 マクリの成分研究の歴史と薬理
 第3節 日本の医書に探るマクリの薬用起源
上中古代の医書/鎌倉・室町時代の医書/近世の医書――漢方医学/近世の医書――民間医療/駆虫の専門研究書にみるマクリ
 第4節 胎毒下しとマクリ(海人草)
胎毒下しがアトピー性皮膚炎を“予防”?/胎毒下しは日本独自の概念/中国医学における胎毒と日本への影響/日本の産育学で重視された「かにばば」とは何か?/「かにばば」と胎毒の関係は?
 第5節 「かにばば」を“まくる”から海人草(マクリ)となった
 第6節 駆虫薬マクリの誕生

付録
各生薬が「どの版で収載され、どの版で削除されたか」ひとめで分かる「生薬・漢方処方エキス剤一覧」/難しい項目の読みがなが調べられる「画数順・漢名(万葉仮名)読みがな一覧」/引用および参考文献/欧文(学名)索引/和文索引

編集者からのコメント

『歴代日本薬局方収載生薬大事典』
医薬品についての基準書「日本薬局方」。この “生薬” の部分に限って、一度でも収載された生薬ならもう全部載せてしまおう! 歴史も全部解き明かしてしまおう! という挑戦的かつ意欲的な本書。初版から100有余年の局方の生薬史をまとめあげた、まさに集大成といえる。

〈本書の特徴〉
◎初版~第十六改正(第二追補)対応。“初の” 生薬史全集。
◎生薬の歴史書としても興味深く読める。知識欲の高い一般読者にも
◎引用文献300種以上。引用箇所も明示して客観的な検証性も高い

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