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エルザ・スキャパレリとは2014/07/30更新

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エルザ・スキャパレリ Elsa Schiaparelli

 『ヴォーグ』はエルザ・スキャパレリを「同世代の誰よりも奇抜で独創的」な天才と呼んだ。革新的なデビュー作となった1927年の「蝶結び」セーターから、シュルレアリスムに傾倒した1930年代後半の「引き裂かれたドレス」や「シューハット」に至るまで『ヴォーグ』はそのデザインを支持した。スキャパレリは、サルバドール・ダリなどの芸術家との斬新なコラボレーションを通じて、トロンプルイユの図柄や骸骨フォルムのドレス、メイ・ウエストのトルソー型香水ボトルを創作し、また化学繊維をいち早く活用した先駆者でもある。

 

生い立ち

 エルザ・ルイーザ・マリア・スキャパレリは1890年9月10日、ローマに生まれた。1954年出版の自伝『ショッキング・ピンクを生んだ女』で語られた言葉から、感受性が強く多感な子どもで、容姿に自信がなく、強い意志を持った高潔な反逆者という人間像が浮かんでくる。スキャパレリは裕福な中産階級の生まれだが、注目すべきは、その家系が学者筋の知識階級にあったことだ。母親のマリア=ルイーザはマルタ島生まれで、イタリア人、スコットランド人、エジプト人の血を引き、つねづね次女のスキャパレリにおまえは不器量だと言い聞かせた。父親のチェレスティーノは東洋学者でローマ大学学部長の職に就き、リンチェイ王位アカデミーの図書館長を務めた。スキャパレリの生まれたコルシーニ宮殿内にあるこの図書館は、芸術・文学。科学・歴史書物の宝庫だった。伯父のジョバンニは高名な天文学者、父のいとこのエルネストは古代エジプト大家の谷で重要な発見をした有名なエジプト学者、そして冒険心に富んだとびきり魅力的な伯母のリリアンは、旅先から「エキゾチックで素敵なもの」を送ってくれた。彼ら全てがスキャパレリに影響を与え、過ぎ去った古代に、未来における科学の可能性に、そして東洋という“異教徒の”世界に興味を抱かせたのだった。スキャパレリは言う。子ども時代も、大人になってからも「決められたコースをたどる人生なんて、なんの興味も持てなかった。」

 

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